エンテロウイルスの感染経路
エンテロウイルスが引き起こす臓器症状・呼吸器関連では倦怠感、咽頭炎、鼻汁のような風邪様症状から肺炎や胸膜痛を起こすこともあります。
また、皮膚の発疹や手足口病、髄膜炎、神経麻痺、嘔吐下痢症、急性出血性結膜炎、急性心筋炎などを起こし、時に命に関わることもあります。
喘息などの持病を持っている子供に感染すると、重症化する傾向もあることが分かっています。
エンテロウイルスの感染経路としては、糞口感染か飛沫感染で、ウィルスが含まれているものを飲みこむか、ウィルスが含まれている便や唾液がついているものを触れた手の洗浄が不十分だと手を介して感染します。感染の時期は主に5−10月で、夏風邪の原因にもなります。
感染力は強く、主に小児の間で流行しますが大人に感染することもあります。
特に保育園や幼稚園などの多くの小児が集まる場所では集団感染になることが多いです。
その原因の1つとして、エンテロウィルスに感染して発熱や発疹、下痢などの症状が改善した後も数か月に渡って便からウィルスが排出されていることが考えられます。
数か月も自宅安静をすることは非現実的なので、大概は症状が治まったら登園することが多いです。
エンテロウィルスが増殖する場所は
エンテロウィルスは基本的に腸の中で増殖するウィルスですが、血液中にウィルスが入り心臓や脳などの他の臓器に感染が拡大することによって先ほど挙げたような心筋炎や髄膜炎を起こすと考えられています。
その年によって症状の出方に違いがあり、ある年は手足口病が流行し、ある年は嘔吐下痢症が流行するという傾向になります。
また、コクサッキーウィルスが必ず手足口病を引き起こすと決まっているわけではなくて、エンテロウィルスの仲間であれば同様の症状を引き起こす可能性があります。
エンテロウィルスに対する特効薬はないため、基本的に安静と症状に対する緩和治療を行います。
手足に発疹ができて痒い場合はかゆみ止めを、下痢が続く場合には整腸剤を、咽頭炎には喉の痛み止めなどを処方されます。