エンテロウイルスd68型とは

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エンテロウイルス d68型について

ウィルス

エンテロウィルスに含まれるのは60種類以上のウィルスであり、遺伝子型によりさらにエンテロウィルスA-Hに分類されますが、その中でもエンテロウィルス68型はDに分類されるため、エンテロウィルスd68型とも呼ばれます。

 

エンテロウィルスによる感染症は5-10月、主に夏から秋にかけて流行すると言われています。乳幼児、子供に多く発症しますが大人でも発症することがあります。しかし健常な大人の場合は軽症で済むことが多いです。

 

エンテロウィルスd68型に感染すると風邪のような発熱、倦怠感、鼻汁、くしゃみなどの軽症な症状から気管支炎や肺炎、呼吸困難などの重症な症状まで様々であることが分かっています。

 

アメリカでは近年エンテロウィルスd68型による小児の肺炎などの重症呼吸器疾患が増加しており、原因として考慮すべきという情報が発信されています。診断は、鼻咽頭を綿棒でこすって採取するぬぐい液からウィルスを検出することで行います。






日本での感染は?

病院

日本では、エンテロウィルスd68型の感染は2005年から2014年9月までに31都道府県から272例の報告があります。

 

日本では年によって発症数の増減が大きく、2010年129例、2011年2例、2012年2例、2013年122例と一概に増加傾向とは言えません。
症状としては気管支炎や肺炎などが約40%と多く、呼吸器疾患と診断されていることが多かったそうです。

 

アメリカからも報告があるように、喘息を持っている小児では症状が悪化する傾向があるので日本でも引き続き注意が必要と考えられています。

 

エンテロウィルスに対する特効薬やワクチンはないため、現在のところ対症療法しかできない状況です。症状が進行し悪化してしまうと重症化し命に関わる可能性もあるので、早めに病院に行くことが大切です。

 

エンテロウィルスは、ウィルスが付いた手を介して鼻や口から感染すると言われています。手洗い、うがい、マスクなどの感染予防をすることによってなるべくエンテロウィルスd68型に感染しないようにすることも重要です。