エンテロウイルスと髄膜炎

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エンテロウイルス 髄膜炎の関係について

頭を抱える女性

髄膜炎には細菌性髄膜炎、無菌性髄膜炎、結核性髄膜炎などの種類があり、原因となっている細菌やウィルスによって治療法が違います。

 

無菌性髄膜炎とは、髄液の検査をした時に髄液中に細菌を検出しない時に診断されます。

 

症状はその他の髄膜炎と変わらず、発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、後部硬直(首の後ろが炎症のために硬くなる症状)を呈することが多いです。

 

 

無菌性髄膜炎の原因となるウィルスで最も多いものは、エンテロウィルスであり約70-80%を占めます。

 

そのため、エンテロウィルスによる無菌性髄膜炎は流行時期でもある夏から秋にかけて発症する頻度が高いと言われています。エンテロウィルスと一言で言っても、コクサッキーウィルスやエコーウィルス、エンテロウィルスなど60種類以上が含まれるので髄液中や血液中からウィルスを検出できるまではどのウィルスが原因か診断できません。

 

日本ではエコーウィルスとコクサッキーウィルスが多いと言われており、過去にエコーウィルス6、7、9、30型、コクサッキーウィルスA6・9型、B3・4・5型の報告があります。

 

また手足口病の原因として知られているエンテロウィルス71による無菌性髄膜炎の報告もあり、手足口病に感染後に注意すべき合併症と考えられています。エンテロウィルス以外で無菌性髄膜炎を起こすものはムンプスウィルスやマイコプラズマ、寄生虫などが考えられます。






エンテロウイルスによる髄膜炎の症状

医者

エンテロウィルスによる髄膜炎の場合、一般的に38-40度の高熱が出て、頭痛や悪心、嘔吐を伴います。発熱は約5日間持続することが多く、全身の倦怠感も強く飲食はできない状態になることがほとんどです。

 

強い炎症と倦怠感によって十分な水分が取れず、脱水を起こすことが多いので入院して点滴治療を行います。

 

細菌性髄膜炎の場合には、全身に細菌が回ってしまい命に関わることも多いのですぐに抗菌薬を投与します。無菌性髄膜炎の場合はエンテロウィルスなどのウィルスによることが多いため、点滴などの対症療法で経過を見ていると一般的に良好に改善すると考えられています。

 

ただし、子供の場合には自分で症状をうまく訴えられないことも多いので脱水症状が悪化してしまう可能性もあります。嘔吐を繰り返している場合やぐったりしている状態が続いている時には早めに病院に行くようにしましょう。