エンテロウイルス 夏風邪の関係について
夏風邪の症状は1つではなく、様々な症状を引き起こすことがあります。
例えば発熱、倦怠感、鼻汁、咽頭炎のような症状や、嘔吐下痢症を伴うこともあります。
原因となるウィルスはいくつか考えられますが、エンテロウィルスやアデノウィルスによるものが多いと言われています。
エンテロウィルスは腸管で増えるウィルスで、糞口感染や飛沫感染により感染が拡大していきます。
具体的には、ウィルスが含まれている便や唾液が付いた手の洗浄が不十分で自分の口や鼻を触ってしまうと感染します。
感染している人がした咳やくしゃみに含まれているウィルスを近くにいて吸い込んでしまい、感染することもあります。
エンテロウィルスによる代表的な夏風邪は、手足口病とヘルパンギーナです。手足口病は2-5日間の潜伏期の後に、発熱や特徴的な発疹で発症します。発熱は全体の10-20%に見られる症状なので、発疹や倦怠感で感染に気付くこともあります。
手足口病の発疹は特徴的で、手のひらや足の裏、膝や肘の感染、お尻などに赤い発疹が多数できます。ちくちくとした痛みを伴うこともありますが、1週間程度で改善することが多いです。
発疹と共に口腔内に粘膜疹(口内炎)も多数できることがあり、びらんや潰瘍となり痛くて食べ物を飲み込みづらくなる症状が出ます。
ヘルパンギーナは、突然の高熱の後に口腔内に潰瘍や口内炎が出る病気です。発熱は時々40度近くまで出ることがあります。
口内炎の痛みが強く、手足口病と同様に食べ物を飲み込みづらく感じますが、3-4日で症状が改善することが多いです。
夏から秋の下痢はエンテロウイルス?
手足口病やヘルパンギーナ以外でも、エンテロウィルスによって嘔吐下痢を繰り返す急性胃腸炎になることがあります。
つまり、夏から秋にかけて嘔吐下痢が主な症状である夏風邪をひいた時には原因としてエンテロウィルスが考えられます。
一方で、冬の場合にはノロウィルスやロタウィルスによる嘔吐下痢症が増加します。
エンテロウィルスによる夏風邪は小児が多く集まる場所である保育園や幼稚園、小学校などで集団感染を引き起こすことがあります。
症状が改善しても、約1か月間は腸からウィルスが排出されていると考えられています。
感染を拡大させないためにも、もし体調に異変があった場合には早めに病院に行った方が良いでしょう。